「サステナブル」「SDGs」という言葉を耳にすることが増えてきました。
ここでは、より詳しく「サステナブル」について知りたいという皆さんに向けて、基本的な考え方から、誰でもすぐに取り入れられるサステナブルな取り組みまでをご紹介していきます。
まずは皆さんがサステナブルについて正しく理解することが、社会を変えるはじめの一歩になります。すぐに地球全体を変えることはできなくても、今私たちに何ができるのかを一緒に考えていきましょう!
目次
サステナブルな社会とは?
サステナブルとは?
これは、日本語で「サステイナブル」「サスティナブル」と表現されることもありますが、意味は同じで、「持続可能な〜」という意味合いで使われます
サステナブルな社会=持続可能な社会
サステナブルな社会を直訳すると、「持続可能な社会」です。
この持続可能な社会とは、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」という3つの社会像を合わせたものがゴールだと言えます。
これら3つの社会像を実現するような社会こそが、我々の目指しているサステナブルな社会です。
■サステイナブルな社会を構成する社会像
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(参考:低炭素社会・循環型社会・自然共生社会の統合について)
今なぜこの「サステナブルな社会」がテーマになっているかと言うと、このまま世界の経済や社会のあり方を見直さなければ、遠くない未来で地球の資源が底をついてしまうためです。
私たちの豊かな生活は、いつかなくなってしまう化石燃料や金属・鉱物などの枯渇性の資源が礎となっていますが、これからは限りある資源を繰り返し利用するなど、環境負荷をできる限り減らし、自然とそこに生きる人間を含む生物が共生できる方向性へとシフトしていく必要があります。
新しいものを使って捨てるだけの「消費型」の生活を見直し、いかにしてモノやサービスが循環し続ける「循環型」の社会を作っていくかを考える必要があるのです。
今、世界が抱える問題
我々人類はテクノロジーや技術の発達で自由で快適な生活を手に入れましたが、地球の自然環境や資源などに大きなダメージを与えてきてしまいました。
現在でこそ、サステナブルな社会を実現するために、企業をはじめとする様々な組織や個人が多種多様なアクションを起こしていますが、すでに地球は様々な問題を抱えています。
これは、我々や我々の祖先が自由に地球の資源を使ってきた結果です。
■今、世界が抱えている問題の例
・人口急増による資源不足 ・地球温暖化など気候変動 ・水質汚染 ・二酸化炭素による大気汚染 ・森林破壊 |
すでにある問題を悔やむのではなく、私たちはこれから地球とうまく共存していく方法を考えなければなりません。
そのために、世界のリーダーたちによって考えられた目標こそが、「SDGs」です。
まずは、SDGsの内容をもう少し詳しくみてみましょう。
SDGs 世界のリーダーが決めた17の目標
SDGsの考え方:「誰ひとり取り残さない」
SDGsとは、Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」の略です。
そもそも、このSDGsがどのようにして作られたのかを解説します。
SDGsとは、地球や世界の人々の繁栄のために、地球上に誰ひとり取り残さないという考え方に基づき、世界のリーダーによって決められた17の目標です。
SDGsが誕生する前は、2000年に国連のサミットで採択された「MDGs(エムディージーズ/ミレニアム開発目標)」達成に向けて世界が取り組んでいましたが、MDGsが2015年に達成期限を迎えたことを受けて、MDGsに代わる新たな世界の目標として「SDGs」が誕生しました。
2015年の9月ニューヨーク国連本部において、150を超える加盟国首脳の参加のもと「国連持続可能な開発サミット」が開催され、成果文章として「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
そのアジェンダには、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、2030年までの宣言および目標がかかげられ、それが17の目標とそれら目標をより細かく定義した169のターゲットからなる「SDGs(持続可能な開発目標)」に当たります。
難しいように聞こえるかもしれませんが、SDGsとは、より良い地球を実現するために我々がクリアすべき17の目標ということです。
SDGsのウェディングケーキモデル:経済・環境・社会の3つの階層
このSDGsの概念を表すモデルとして有名なものに、「SDGsのウェディングケーキモデル」があります。
これは、スウェーデンの首都・ストックホルムにあるレジリエンス研究所の所長が考案したSDGsの概念を表す構造モデルです。
最下層は環境、中層は社会、トップ層は経済となっており、すべての土台となるのが「環境」で、その上に「社会」「経済」が成り立っていることを表しています。
地球で暮らす我々にとって、自然などの「環境」がベースにあり、それがなければその上の「社会」「経済」は存在しないという考えです。
ここでの注目は、3つの階層の中心軸とされているのが「パートナーシップ」であるということです。
SDGsの達成には、国家や市民など様々なコミュニティの協力が必要不可欠であり、それらがなければSDGsの目標達成に必要なこの構造が成り立たないことが表現されています。
5つの「P」
SDGsの具体的な目標を考える際にキーワードとなった、5つの「P」について紹介します。
(引用:https://www.unicef.or.jp/sdgs/concept.html)
5つの「P」とは、People、Planet、Prosperity、Peace、Partnershipの頭文字をとったものです。
5つのキーワードは、我々が目指す世界を表しており、SDGsで定義されている17のゴールはいずれもこの5つのキーワードに関連するものとなっています。
■5つのPとそれが目指す世界
・People 人間 →すべての人が人間としての尊厳を保たれ、健全な環境で生活する ・Planet 地球 →地球の限りある資源に責任をもち、自然と共存しながら地球環境を守る ・Prosperity 豊かさ →すべての人が安心して豊かな生活を送れるよう、自然と調和した経済・社会・技術の進展を目指す ・Peace 平和 →恐怖や暴力のない、すべての人が平等に参画できる社会を目指す ・Partnership パートナーシップ →世界に残された多様な課題に対して、国家や市民など様々なコミュニティが協力して解決へ歩む |
5つの「P」を理解することで分かることは、SDGsとは「人間」、「地球」、「豊かさ」、「平和」のための目標であり、これを実現するためには政府、民間セクター、市民社会、国連機関を含む多様な関係者が参加する国際社会の「パートナーシップ」が重要だということです。
この5つのPに基づいて定められた具体的な17の目標を紹介していきます。
17の目標一覧
SDGsは、アイコンとセットで紹介されることが多いので、下の絵を目にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか?
それでは、17の目標を確認してみましょう。
(引用:https://www.unic.or.jp/files/sdg_poster_ja_2021.pdf)
■SDGs 持続可能な開発目標
目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ 目標2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する 目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する 目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る 目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する 目標7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する 目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する 目標9 レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る 目標10 国内および国家間の不平等を是正する 目標11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする 目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する 目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る 目標14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する 目標15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る 目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する 目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
(引用:https://www.unic.or.jp/news_press/info/15790/)
このようにSDGsの17の目標では、健康、労働環境、格差是正、環境保護など幅広い分野の目標が設定されていることがわかります。
これらの目標を達成するために、一体世界ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。
サステナブルな社会の実現に向けた各国・企業・個人の取り組み
国の取り組み事例
サステナブルな社会の実現に向け、世界の国々は独自の取り組みを行っていて、日本もSDGsの実現に多様な観点から取り組んでいます。
それでは、日本政府が取り組んでいる取り組み事例を紹介します。
■日本の取り組み
内閣府 |
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金融庁 |
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消費者庁 |
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法務省 |
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総務省 |
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文部科学省 |
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環境省 |
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防衛省 |
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(引用:省庁が推進するSDGsへの取り組み)
ここで一つの具体的な取り組みとして、内閣府が実施している「SDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業の選定」について解説します。
SDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業の選定
これはSDGsの実現に向けて、国が自治体や地方公共団体と協力するための一つの取り組みです。
SDGs達成へ向けた地方自治体による優れた取り組みを提案した都市やモデル事業を国が選定し、選定都市によるSDGs達成へ向けた3年間の取り組みの成功事例を国内外へと発信します。
SDGs未来都市は、新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが⾼い先導的な取組であって、多様なステークホルダーとの連携を通し、地域における⾃律的好循環を生み出すことを目指しています。
■SDGs未来都市に選定された都市に求められる活動
①経済・社会・環境の三側⾯の統合的 取組による相乗効果の創出 ②多様なステークホルダーとの連携 ③⾃律的好循環の構築 |
(参考:https://www.chisou.go.jp/tiiki/kankyo/index.html)
このような活動を通じて、幅広い世代に対してSDGs達成へ向けた取り組みの認知や普及啓発を通じ、持続可能なまちづくりへと発展させていくことを目指しています。
企業の取り組み事例
社会に対して大きな影響力を持つ企業の社会的責任として、社会貢献の一環でSDGsに取り組む企業は増えています。
企業がSDGsに取り組む際、メイン事業以外で取り組むこともありますが、メイン事業のビジネスモデル自体をサステナブルなモデルにすることも重要な視点です。
ここでは実際にサステイナブルな取り組みを行う日本企業をいくつかみてみましょう。
企業のサステナビリティを測る一つの指標として、カナダの出版社Corporate Knights社が発表しているランキング「Global 100 Most Sustainable Corporations in the World (Global 100 Index)」があります。
これは日本語に訳すと、「世界で最も持続可能な企業100社」です。
2021年版のランキングでランクインした日本企業はこちらの5社。
■「世界で最も持続可能な企業100社」にランクインした日本企業
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ここでは、世界の中でも高い評価を受けた企業のうち、2社の具体的な取り組みを紹介します。
日本企業で最も持続可能な企業として選ばれた「エーザイ株式会社」の取り組み
「エーザイ株式会社」は、ヘルスケアの主役が患者様とそのご家族、生活者であることを明確に認識し、そのベネフィット向上を通じてビジネスを遂行することを企業理念としている企業です。
この理念は「hhc」(ヒューマンヘルスケア)の一言に集約され社内外の人々に親しまれています。
具体的には、2025年度に向けて「薬とソリューションで社会を変える企業」を目指すと定め、この企業像の達成に向け、単なる薬の提供だけでなく、世界中に存在する医療・ケアの格差の解消に取り組み、それがSDGs達成へと繋がると考えられています。
エーザイでは、医療やケアの格差解消だけではなく、その他にも取り組みを進めています。
■エーザイのSDGs取り組み例
・開発途上国・新興国での医薬品アクセスの向上 ・就労環境整備と働き方改革 ・多様なキャリアパスの実現と人財育成 ・多様なリーダーシップ開発 ・プラスチック、金属くず、ガラスびん、廃油等の再資源化処理 ・会議の進め方やコピーの取り方を工夫して発生量を削減 ・グローバルに多岐にわたるパートナーシップの活用により、ビジネスの効率性・生産性を向上し、患者様貢献の早期最大化を目指す |
(参考:https://www.eisai.co.jp/sustainability/management/sdgs/index.html)
「シスメックス株式会社」の取り組み
「シスメックス株式会社」は、グループ企業理念「Sysmex Way」のミッション「ヘルスケアの進化をデザインする。」に基づき、世界の医療課題解決に貢献することを目指して活動しています。
2020年度には、新中期経営計画(2021-2023年度)の策定にあわせて、経済・環境・社会課題の変化を踏まえ、企業として重視すべきSDGsの見直しも行い、以下のような具体的な活動に取り組んでいます。
■「シスメックス」のSDGs取り組み例
・多様なイノベーションを通じた医療課題解決 ・マラリア・エリミネーションへの貢献 ・HIVの診断や治療の質向上への貢献 ・アジアにおける医療環境の整備 ・新型コロナウイルス感染症への取り組み ・出産前から育児までに対応した多様な制度を導入 ・パートナーシップ登録制度を導入し、同性のパートナーを戸籍上の配偶者と同等に扱う ・社内情報誌「ダイバーシティ通信」を毎月発行し、従業員への情報共有や理解促進 |
(参考:https://www.sysmex.co.jp/csr/management/index.html)
個人の取り組み事例
さらに、近年では、国や企業だけでなく、社会をより良くするために、個人としてサステナブルな取り組みを行っている人々もいます。
環境活動家のグレタさんをご存知の方は多いかと思いますが、そのほかにも様々な活動を行っている著名人がいます。
■サステナブルに対して取り組んでいる著名人の一例
・グレタ・トゥーンベリ スウェーデンの環境活動家、主に地球温暖化に対する取り組みを実施。 ・ミーガン・ラピノー プロサッカー選手(女子米国代表)、男女賃金格差の是正や差別根絶を求めて闘う。 ・りゅうちぇる 日本のタレント、育児やダイバーシティに関する発信が注目を集める。 ・たかまつなな お笑いジャーナリスト、笑いの力で社会課題の解決に取り組む「笑下村塾」を経営。 |
Facebook、Instagram、YouTubeなどSNSの拡大により、個人の取り組みを他の人が簡単にシェアできる時代となりました。
仮に著名人でなくともSNSで人々の共感を集めると、それが実際の社会運動へと発展し、社会を動かす可能性があるので、SNSを通じて個人でサステナブルやSDGsに関する取り組みを実施する人も増えているのです。
サステナブルに関する学問
さらに、サステナブルに関連する「サステナビリティ学」という新しい学問分野も誕生しました。
日本では、はじめて小宮山宏氏(日本の工学者、三菱総合研究所理事長、第28代東京大学総長)によって提唱されました。
現在世界で発生している様々な問題は複雑で他分野にまたがっています。
そのような複雑な問題を構造的にとらえるために、この新しい「サステナビリティ学」が新しく誕生しました。
サステイナビリティ学では、社会問題を構成している各要素間の繋がり(システム)を研究対象として扱っており、主に下記3つのシステムがあります。
サステナビリティ学の3つのシステム
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(参考:http://www.grad.ibaraki.ac.jp/gpss/outline/sustiana.html)
またそれぞれのシステムを個別で扱うだけではなく、これらシステム間の相互作用が主要な研究対象とされています。
様々な問題が複雑に絡み合っている現代において、このサステナビリティ学の発展は地球の未来を切り拓く可能性を持っています。
近年では東京大学を初め、そのほかの大学や大学院でもこのサステナビリティ学を学ぶことができる場所も増えてきており、期待が高まるばかりです。
ここまでは国単位、企業単位の話をご紹介しましたが、対象が広いためあまりピンとこなくて、「自分にも、地球のためにできることってなんだろう」と感じますよね。
そこで、次に、今日からでも皆さんが簡単に始められるサステナブルな行動も紹介していきます。
生活にサステナブルを取り入れよう。今日から始められる5つのこと
マイタンブラー、マイバッグを持ち歩く
誰でも取り入れやすいサステナブルとして、マイタンブラーやマイエコバックなどのグッズがあります。
カフェでドリンクを買うとプラスチックや紙のカップで提供されますが、それだけでゴミを一つ増やしてしまいます。
また、スーパーやコンビニなどで何気なく受け取っているビニール袋も、毎日一枚貰えば1ヶ月で30枚の袋を消費していることになります。
お気に入りのデザインのグッズを用意すれば、おしゃれを楽しみながら地球に優しいアクションを取ることができます。
■取り入れやすいサステナブルグッズ
・タンブラー ・カップ ・エコバック ・ストロー |
着なくなった服は古着回収を利用
衣類の生産にはさまざまな工程があり、その各工程では二酸化炭素の排出や汚水の処理など、環境負荷がどうしても発生してしまいます。
限りある資源から作られている衣類を大切に使い、手放す際には社会で循環させるためにもなるべく着なくなった服はリサイクルする習慣をつけましょう!
ブランドによっては、店舗で古着を回収している場合もあるので、ぜひ積極的に活用してみてください。
■古着回収をしているブランド例
・無印良品 ・GOLD WIN ・GU ・H&M ・NIKE |
回収されたものはリメイクした商品としてもとの商品の形をいかして販売されたり、一度処理を加えて原材料に戻したものを製品化する(アップサイクル)など、企業によって使い道は多様です。
着なくなった服をタンスで眠らせ、断捨離で服を捨てる前に、ぜひ古着回収を利用してみてくださいね。
地球に優しい行動が自分磨きにつながる!
健康的な行動で自分磨きをすることで、地球にも優しい行動につながります。
電車や車、エレベーターなどを避けて、自らの足で動く習慣を身につければ、一回あたりの量はわずかでも環境への負荷を減らすことができます。
特におすすめなのは、エレベーターをやめて階段を使うようにすることです。
エレベーターではなく階段を使う習慣がつけば、ジムにわざわざ行って重たい重りを持ってスクワットなどのトレーニングを行わなくても、お尻、太腿などの引き締め効果が期待できます。
■階段を使う習慣のメリット
・日常で取り入れやすいエクササイズ ・お金がかからない ・下半身の引き締め効果が高い ・女性に多い冷え性の改善/防止に役立つ ・さらに姿勢を正して行うことで体幹を鍛えられる |
地球への負荷を減らすことが、自分磨きにも繋がっていくので、皆さんぜひ取り入れてみてください。
消費活動は企業への投票
私たちのサステナブルな取り組みが、サステナブルな社会をつくっているわけですが、その中で何かを購入するという「消費活動」は社会を動かす大きなアクションになります。
消費者の支払うお金によって、企業は資金を得ているので、我々消費者はどの企業にお金を渡すのかということを意識する必要があるのです。
価格が安いものを購入したくなる気持ちはわかりますが、その商品がなぜ価格が安いのかという部分を少し考える必要があります。
発展途上国の資源を大量に消費していないか、法外に安い賃金で働いている人々の努力によって作られた商品ではないか、工場で決められた量以上のガスを排出していないか。
全てを完璧に見ることはできませんが、商品を購入する際に、少し考えてみることはできます。
私たちの消費活動が企業への投票となっていることを念頭において、お金をどのように使うのかを考えてみましょう。
まずは、考えることが社会を良くするための第一歩になります。
正しく理解する・発信する・対話する
生活にサステナブルを取り入れる上で、最も大切なのは、まずサステナブルについて正しい理解を持つことです。その上で、発信する・対話することが大切です。
サステナブルな行動をすること自体を目的とするのではなく、サステナブルな社会を創ることでより良い未来を創造することが大切です。
まずは正しい情報の収集と発信をすること、そして周囲と対話し議論し続けることで、我々の取り組むべきアクションの方向性が定まっていきます。
日々変わりゆく地球や社会の状況に応じたサステナブルなアクションが取れるように、正しい理解、発信、対話を心がけていきましょう!
サステナブルな社会の注意点
SDGsウォッシュに注意
SDGsに人々の関心が高まっているからこそ、そのイメージの良さを利用して悪さをする企業も存在します。
「SDGs」という響きの良い言葉を使った売名行為、SDGsを公言しながらも実際のビジネスではSDGsを実践していないことを「SDGsウォッシュ」と言います。
表向きにはサステナブルな取り組みをやっているように見せていても、実際に実践していない場合もあるので、多くの取り組みが実践されている今だからこそ、少し注意が必要です。
完璧じゃなくて良い
地球や社会のために、積極的に行動しようと思って、頑張りすぎてしまうという話もよくあります。
ただ、地球の未来は誰か1人の努力で変えられるものではなく、世界中の人々がアクションを変えていく必要があります。
そのため、1人で全て完璧な行動をしようと頑張りすぎることなく、自分にできる範囲で楽しみながら「サステナブルな社会」を目指して行動していきましょう。
まとめ
この記事では、サステナブルな社会について説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
2030年までにSDGsの目標を達成するために、一人ひとりが可能な範囲でよりサステナブルな選択をしていく必要があります。
次の世代に負担をかけないよう、今を生きる私たちが地球を守る意識で行動していくことが重要であるということをお分かりいただけたかと思います。
ほんの僅かでも良いので、今よりも地球に優しい行動を選び、地球のより良い未来を一緒に創っていきましょう!
まずはできることから。最後に紹介した5つの取り組み、ぜひ実践してみていただけると嬉しいです。
<ライタープロフィール>
吉林 千景
スペイン・ムルシア在住、La Boca Te Lía Futsal Alcantarilla所属の女子フットサル選手。東京都出身、2017年慶應義塾大学総合政策学部卒、2011年よりフットサル女子日本代表選手。スペイン女子フットサルリーグへ移籍するも、二度に及ぶ膝の大怪我で帰国。競技に縛られていたキャリアに疑念を抱き、「3×3 Lab Future」でのアスリートインターンやWebライターとしての活動を始める。現在は引き続き世界の舞台で戦うためにスペインのチームに移籍し、競技に励みながら、デュアルキャリアの実践として競技以外の活動にも力を入れている。
ヨーロッパでの生活をきっかけに、社会との向き合い方を見直し、サステナブルな生活に興味関心を抱くようになる。地球のために完璧な行動をすることは難しいが、その時々で地球にとってベターな選択ができる自分を目指しています。
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